岩手県との県境に近い秋田県鹿角市湯瀬地区。
山あいの渓谷沿いにある良質な温泉が有名なこの地区は、昨年7月の参院選から投票所がなくなった。
市選挙管理委員会が、それまで市内に46カ所あった投票所を6カ所に統合したためだ。

「それまで自治会館を投票所に使っていたが、投票所がなくなったと聞いてあわてた」。
昨年まで地区の自治会長だった阿部照芳さん(77)は振り返る。
市選管は代わりに、6カ所を市民なら住む地区に関係なく投票できる「共通投票所」とした。

湯瀬地区から最も近い共通投票所は、車で10~15分かかる。約170人の住民は、歩いて投票に行くことができなくなった。
「高齢者が多く、一人暮らしで車が無い人も少なくない。どうしようかと自治会で相談した」

https://www.asahi.com/articles/ASR3W5DZYR32ULUC00R.html