魔女の魔術に呪文詠唱…米国で人気急上昇の「ペイガニズム」とは
その昔、古代ケルト人たちは自然と野生の有角神ケルヌンノスに祈りを捧げるため、風が吹きすさぶ荒野を旅した。古代エジプトの人々は、豊穣の女伸イシスの庇護を求めて砂漠を越えた。ケルトの謎めいたドルイドたちは、月明かりの下、森の中の広場で儀式を執り行った。しかし、時の流れとともに神々は神話の世界に去り、彼らを祭る儀式は人々の記憶から忘れられていった。
ところが最近、水晶、タロットカード、占星術、薬草など、キリスト教以前の信仰である「ペイガニズム」にまつわる慣習への関心が再び高まり、ポップカルチャーの中心とは言わないまでも、少なくともTikTokの「おすすめ」フィードの上位を占めるようになっている。
米国において、ペイガニズムを信仰あるいは実践するペイガンと呼ばれる人々は、2001年にはわずか13万4000人だったが、いまは少なくとも150万人はいると言われている。その中には、古代ヨーロッパの多神教に基づくウィッカや、古代エジブトの宗教を現代に反映したケメティズムを信仰する人々から、TikTokの魔女たちや北欧神話の神々を崇拝するヒーゼンまで、多種多様な人々が含まれる。
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