「ベビーカーを押しているやつはむかつくよなあ。抱っこしろよ」。
横浜市の30代女性は2019年4月、横浜中華街で当時1歳だった長男(5)を乗せたベビーカーを押していた際、
すれ違った大柄の男性にそう吐き捨てるように言われた。
その半年後にはほとんど人がいない同市内の私鉄の駅前広場で、ハトを追いかけていた長男が、
無言で歩み寄ってきた中年男性に蹴飛ばされそうになった。
急いで手を引いて事なきを得たが、女性は「日本はすさんでいる。
理不尽な目に遭うことが多く、子育てがしづらい」とため息をつく。
子育てに関する価値観を一方的に押しつけられ、怖い思いをしたこともある。
女性が夫と次男(2)を含む家族4人で21年9月に同市内のスーパーに出掛けた時のことだ。
長男が店内で走り出し、夫が追いかけた瞬間、「なんでお前が行かないんだ」と背後から怒声を浴びた。
振り返ると、80代くらいの男性がこちらをにらみつけていた。
隣にいた妻とおぼしき人物は笑みを浮かべながらこう言い放った。
「私は子育てを全部一人でやった。主人に手伝ってもらうことなんてなかったわ」
女性は「嫌がらせをしてストレス発散をしているのだと思う。
子どもやママたちは弱い立場だからターゲットにしやすいのでは」と悔しさをにじませる。
https://mainichi.jp/articles/20230330/k00/00m/040/076000c