淡路島で麻薬の原料・ケシの「自生地が島全域に拡大」…前年の3倍・1万本を発見、全て処分

兵庫県の淡路島内で昨年、麻薬の原料となる自生のケシが、前年の約3倍、約1万本見つかった。県洲本健康福祉事務所が全て抜いて処分したという。花を咲かせる春から初夏にかけてが見つけやすく、同事務所はパトロールを強化し、自生エリアの拡大阻止に取り組んでいる。

 見つかっているのは「アツミゲシ」。薄紫や赤の花びらが4枚あり、草丈は0・5メートル~1メートルに伸びる。茎を包み込むような葉が特徴で、麻薬成分が抽出できることから、あへん法で栽培や所持が禁止されている。

 同事務所は2022年4~5月、パトロールや住民の通報で1万331本を発見。3000本規模の大きな自生地も見つかり、21年の3746本と比べて大幅に増えた。花が散ると種子が飛散するため、夏を迎えるまでにより多く引き抜く必要があるという。

 県によると、県内全体では昨年、約5万9000本が見つかった。厚生労働省や県は毎年5~6月、不正大麻やケシの撲滅運動に取り組む。淡路島は温暖なためにケシの成長が早く、担当者は「ケシの自生地は淡路島全域に広がっている。見つけたら連絡をしてほしい」と呼びかけている。
https://www.yomiuri.co.jp/science/20230402-OYT1T50162/