福島第一原発の処理水放出で調査 「国民の理解得られてない」過半数
4/4(火) 8:00配信

 放出をしてもよいが、漁業者らの理解を得られるまでは行うべきではない――。東京電力福島第一原発の処理水の海洋放出計画を巡り、日本原子力文化財団(東京)が実施した全国の市民へのアンケートで、そんな考えが浮き彫りになった。政府や東電は夏までに放出を始める方針を示している。

 同財団は、原子力利用についての啓発普及を行う一般財団法人。2006年度から毎年、原子力に対するイメージなどを調査している。今回は22年9月~10月、調査員が訪問して調査票を渡して後日回収する「訪問留意調査」で、住宅地図データベースから抽出した全国の1200人(15~79歳の男女)から回答を得た。

 海洋放出計画について聞いたのは今回が初めて。「『処理水』について、あなたの意見と近いものをお選びください」という設問で、肯定・否定と対になる11組、22個の意見を並べ、当てはまるものすべてを選んでもらったという。

 その結果、「処理水は、国の規制基準を満足すれば放出してもよい」を選んだのは21・0%で、「満足しても放出すべきでない」の16・0%を上回った。

 一方で、「放出することについて、国民の理解は得られていない」は51・9%、「漁業を中心とした関係者の理解を得られるまでは行うべきでない」は42・3%を占め、「国民の理解は得られている」(6・5%)、「関係者の理解を得られなくても行うべき」(5・6%)を大きく上回った。

 政府と東電は、15年に福島県漁業協同組合連合会に対して「関係者の理解なしには、いかなる処分もしない」と文書で約束している。

※略※

https://news.yahoo.co.jp/articles/f17f59ecb8eabdec8e6b5b0198c354ba6ad23a63