都市で放置状態の竹林、クラフトメンマ作りで保全…東京・町田市が特産品開発へ

東京都町田市は、市内の竹林に自生する規格外のタケノコを活用し、地元ならではの調味料で味付けしたクラフトメンマ作りを始める。里山保全と特産品開発を通じた地域の活性化が目的で、町田市産のメンマを「主役」とした料理なども創作していく。(永野慎一)

市農業振興課によると、同市小野路町などには約300ヘクタールの竹林が広がる。私有地もあるが、UR都市機構による整備計画がバブル後に頓挫したことを受けて市が買い取った竹林も多く、その多くは放置された状態になっているという。

市は2022年3月、里山の資産を生かし、価値を高めることを目指して「市里山環境活用保全計画」を策定。同年5月には、地元の市民グループ「小野路竹 倶楽部 」が伐採した幼竹を加工して約10キロのメンマを製造した。
小野路町などに自生するのはモウソウ竹で、国内に流通する9割以上のメンマの原料となる麻竹と比べ、うまみが強く、食感も軟らかいという。

クラフトメンマ作りに手応えを得た市は今年3月25日、放置竹林を生かした地域活性化に取り組む会社「ローカルバンブー」(宮崎県延岡市)と包括的連携協定を締結した。

石阪丈一市長は「メンマの製造に限らず、里山を楽しむ活動も含め、情報発信してほしい。里山保全という全国的な課題を解決する前例になればいい」と話す。

https://www.yomiuri.co.jp/national/20230403-OYT1T50243/

町田市内の放置竹林で採ったタケノコと地元メーカーのしょうゆを使って試作されたクラフトメンマ
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