尿漏れとはもうオサラバ…「お尻キュキュッと体操」で骨盤底筋をトレーニング

女性には生理があり、トイレに必ず汚物入れが設置されている。実はいま、男性トイレにも汚物入れを設ける自治体や企業が相次ぐ。加齢や病気で尿漏れパッドを使用する男性が少なくないためだ。この尿漏れはもちろん、ウンコ漏れにも効果的なのが、骨盤底筋トレーニングだという。

盛岡市は、図書館や文化会館、スポーツ施設など市内の公共施設261施設にある男子トイレと多目的トイレに尿漏れパッド用のサニタリーボックス911個を設置。昨年10月から男性トイレにサニタリーボックスの設置を始めた大津市は、すべての公共施設約110施設に拡大する方針だ。

この動きは全国規模で広がっていて、自治体だけでなく、企業も設置を急ぐ。リーガロイヤルホテル大阪は今月中に館内の男性トイレ32カ所の60個室すべてにサニタリーボックスを設置する。ヤマダデンキは昨年、全849店舗で男性トイレのサニタリーボックス設置を完了した。

ちょっと古いが、ユニ・チャームは2016年、20~59歳の男性1000人に「ちょいモレ意識調査」を実施。それによると、ちょい漏れ経験者は84.6%。中高年に多いかと思いきや、20代から50代まで全世代で8割を超える。別の調査で女性も20~60代の6割前後で、尿漏れは世代を問わず男女の悩みといっていい。

男性の尿道は、女性の4倍の20センチほどで、膀胱から尿道口に至るまで湾曲した部分がある。その曲がった部分に尿が残っていると、トイレを出た後に残尿がチョロッと漏れて、パンツにシミができる。量が多いと、ズボンにまで染みてきて恥ずかしい思いを余儀なくされる。

この対策には、トイレでパンツをしっかりと下ろしてオシッコをした上で、ミルキングをするのが効果的。牛の乳搾りのイメージで陰茎の付け根部分を圧迫しながら搾り出す方法だ。

尿漏れ対策に詳しい城西国際大学福祉総合学部理学療法学科准教授の横井悠加氏が言う。

「男性の場合、膀胱のすぐ下で前立腺が尿道を取り囲んでいます。前立腺肥大や前立腺がんなどで前立腺を切除すると、尿道を締めたり緩めたりして排尿を調節する尿道括約筋が障害されることが珍しくありません。その障害によっても、尿漏れが生じます。このタイプの尿漏れには、骨盤底筋トレーニングが効果的なのです」

骨盤底筋トレーニングは、男女関係なく尿漏れに有効だ。前述した男性の尿道の湾曲部分に尿が残ることによる尿漏れ対策にも勧められるし、ほかにも効果が認められるという。そのやり方を含めて詳しく聞いた。

「講演会などで男性にトイレまで我慢し切れずに漏らしてしまう状況を尋ねると、『うん、うん』とうなずくのは大便のとき。この切迫性便失禁の改善にも、骨盤底筋トレーニングが効果的なのです」

47歳の男性記者も、脂っこいものやスパイス料理などを食べた後にお腹がゴロゴロしてきて、内股状態でトイレに急いだ覚えが何度となくある。恥ずかしながらちょびっと漏れたことは、ゼロではない。確かにオシッコの我慢より、ウンコの方がつらい。

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