【独自入手】「三浦瑠麗は少なくとも替える」“菊池桃子の夫”官邸官僚の「越権文書」公開
4/6(木) 7:15配信

 国会に新たな爆弾が投下されたのは4月4日のことだった。参議院の内閣委員会で立憲民主党の杉尾秀哉・参院議員が、岸田政権発足直前に作成された「岸田新政権の樹立に向けた留意事項」と書かれた文書を入手したことを明らかにした。作成したのは政府の「新しい資本主義実現本部」の事務長代理を務める新原浩朗・内閣審議官で、文書には岸田政権の目玉政策となる「新しい資本主義」を進める政府会議のメンバーの選任や閣僚人事にまで言及されていた。“新原ペーパー”と呼ばれたこの文書については、本誌『週刊ポスト』(2022年7月22日号)が報じていたものだ。

「(新しい資本主義の)中身が(岸田)周辺の振り付け、あるいは丸投げに近い印象さえある」と内閣委で杉尾議員がそう切り出した文書は、〈秘 木原先生 岸田新政権の樹立に向けた留意事項〉と題された極秘文書のことだった。「木原先生」とは、岸田首相の最側近といわれる木原誠二官房副長官のことで、2021年10月4日の岸田政権発足に先立ち、10月1日に新原氏によって作成された岸田政権の“政権構想指南文書”とも呼べる代物だった。

「小西洋之参院議員によって放送法の『政治的公平』を巡る総務省の行政文書と明らかになった“小西文書”の次に立憲民主党が持ち出したのが、この文書でした。この“新原ペーパー”と呼ばれる文書の存在が明らかになり、朝日新聞も『官邸官僚 岸田政権発足時も影響力? 閣僚人事に言及の文書』と報じ、安倍政権で手腕を振るった『官邸官僚』の一人が岸田政権にも影響力を行使していたとうかがわせるとして、注目を集めています。文書を作成した新原氏はタレントの菊池桃子の再婚相手としても度々メディアに取り上げられてきました」(政治部記者)

経団連会長から「高級ワイン」もらって宴会

 新原氏の岸田政権への食い込みぶりと専横については、筆者は昨年7月に『週刊ポスト』で〈“菊池桃子の夫”新原浩朗・内閣審議官が経団連会長から「高級ワイン」もらって宴会音声〉というレポートで指摘していた。同記事では“新原ペーパー”についても触れている。新原ペーパーが示唆するのは、官僚が“言いなり”になってくれる岸田政権を好ましく思い、支えているということに他ならない。

 岸田政権は安倍政権に似た構造を持っている、とも言われている。安倍政権時では安倍晋三首相と菅義偉官房長官という強いリーダーシップを持つ政治家がいたと同時に、経済産業省出身の今井尚哉氏が首相秘書官として権勢を振るい強い政治力を持っていた。今井氏は安倍内閣が掲げた「一億総活躍社会」というスローガンを発案したことでも知られている。今井氏の言動は、「官邸官僚」という言葉で鳴り響いていた。

 岸田新政権が発足したときも首相秘書官には元経済産業事務次官の嶋田隆氏が起用された。嶋田氏は今井氏とは経産省の同期として知られ親交も深いという。しかも嶋田氏は元事務次官というエリート中のエリートで異例の抜擢となっている。つまり安倍政権と同じように、岸田政権でも大物経産官僚を要に起用したという意味で、その構造が似ていると分析されているのだ。

 そして岸田政権のもう一人のキーマンとなっているのが新原浩朗・内閣審議官なのだ。新原氏は東大経済学部を卒業し1984年に経済産業省(当時は通商産業省)入省したキャリア組で、経済産業政策局長を務めるなどエリートコースを歩んだ。安倍政権時代には今井氏の“子飼い”として活躍した。世間では“菊池桃子の夫”として知った人も多いだろう。

 前述の“新原ペーパー”には、新原氏の私利とも言えるような個人的意見が進言されており、それを岸田政権が疑問も持たずに受け入れていることが後に明らかになるのだ。例えば菅政権で設置された成長戦略会議を廃止して、岸田政権では「新しい資本主義実現会議」を新設すべきとの提言に紙幅を大きく割いている。そして政府会議のメンバーにまで言及している。例えばこんな調子だ。

〈岸田政権が樹立された場合、成長と分配の好循環を検討する新しい資本主義実現会議(仮称)の設立が必要となる。この場合、新総理自らが、この会議の議長に就任する必要〉

〈成長戦略会議のメンバーについては、委員の構成がリアリティを欠くとの意見が多い。(編集部注/デービッド・)アトキンソン議員、三浦(瑠麗)議員は少なくとも替えるとともに、経済界から要請がある十倉経団連団長を未来投資会議までと同様に、加える方向で検討する必要がある〉

※略※

https://news.yahoo.co.jp/articles/a4dbf1259b5eb0ea7be92974b8a0a49c040e2dc8?page=3