早稲田大学の大学院生だった女性が指導教員の男性教授から「俺の女にしてやる」とセクハラ発言を受けたなどとして損害賠償を求めた裁判で、東京地裁は、教授だった男性と早稲田大学に55万円の賠償を命じる判決を言い渡しました。

作家の深沢レナさん(32)は、早稲田大学文学学術院の院生だった2017年に指導教員だった当時の教授・渡部直己氏(71)から「俺の女にしてやる」「卒業したら女として扱ってやる」と発言をされたほか、頭や肩に触れられるなどのセクハラがあったとして、渡部氏と早稲田大学を相手取り、660万円の損害賠償を求める訴えを起こしていました。

深沢さんは被害を受けた後、別の男性教授に相談しましたが、相談窓口などに行かないよう何度も口止されたうえ、「あなたにも隙があった」、「男性を勘違いさせてしまうような挙動がある」などと言われる二次被害があったと訴えています。

その後、深沢さんは、精神的な苦痛から中途退学しました。

早稲田大学側は2018年7月に渡部教授によるセクハラ行為があったことを認めたものの、「懲戒処分」ではなく、一般的な「解任」としました。

大学などで優位な立場にある教授らが学生や研究者に対し、立場を利用した嫌がらせを行うことはアカデミック・ハラスメントと呼ばれています。

深沢さんは、判決を前にJNNの取材に応じ、渡部氏から「俺がとらなければおまえは入学できなかった」などと告げられていたほか、尊敬していた作家を授業中に何度も罵倒されたことを明かしました。そして、「セクハラに至るまでの一連の囲い込み、アカデミック・ハラスメントがあった」、「教授を敵に回したら文学界全体を敵に回すことになるかもしれない恐怖感に襲われた」と胸の内を語りました。

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