電気自動車(EV)や自動運転システムの開発を学ぶ「電動モビリティシステム専門職大学」が山形県飯豊町に開学し、5日、入学式があった。
定員40人に対し、初年度の新入生は3人にとどまった。文部科学省の設置認可が昨年8月末で、同大は「学生募集が遅れ、思うように集まらなかった。授業に影響はない」としている。
専門職大学は4年制で、2019年度に制度として始まった。今年4月現在で全国に19校あり、東北では同大が初めて。自動車整備士の専門学校などをもつ学校法人の赤門学院(仙台市)が運営する。
昨年11月の総合型選抜の受験者がおらず、2月の一般選抜で3人、3月の追加の総合型選抜で2人がそれぞれ合格。2人が入学手続きをしなかった。
専任教員23人、非常勤の教員20人の体制で実践的な職業教育をする。

入学式で、清水浩学長は「前向きな皆さんが入学した。自動車開発には、氷や雪で車が滑ることを体感することが重要。最先端の分野で、町の気候の下で新しい道を切り開いていきたい」と式辞を述べた。

新入生で長井市の大河原令伊さん(18)は「ものづくりに興味があり、近くに大学ができると知って進路を決めた。自分のやりたいことを見つけていきたい」と目標を見すえた。

人口減少の抑制を目的に、町が山形大、山形銀行と進めた「飯豊電池バレー構想」を基に誘致した。赤門学院には土地を無償貸与し、整備費として3億5千万円を補助している。
後藤幸平町長は「学生が多ければよかったが、先駆的な取り組みは最初から人が集まるわけではない。次年度はもう少し多く学生を集めてほしい」と話した。

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