【ジョン・フィッチ、マックス・フレンゼル】「僕と睡眠離婚してください」…睡眠科学の第一人者がパートナーと寝室を別にしたワケ
「睡眠科学」の第一人者である、米国カリフォルニア大学バークレー校のマシュー・ウォーカー博士。
彼は毎晩、パートナーと別々の部屋で寝る「睡眠離婚」を実践しているという。
共著『TIME OFF 働き方に“生産性”と“創造性”を取り戻す戦略的休息術』で知られる
ジョン・フィッチ、マックス・フレンゼルの両氏が、あえてパートナーと寝室を別にする理由を本人に尋ねた。
別々の寝室で朝までぐっすり眠る……
サンフランシスコ湾に日が沈む。カリフォルニア大学バークレー校で神経科学と心理学分野の研究をする
マシュー・ウォーカー博士は、その日の分の睡眠科学についての研究と担当講義を終えるところだった。
その日は自転車で通勤したし、ジムにも行った。最後のコーヒー(カフェインなし)は数時間前。
忙しい日だったけれど、気持ちはとても落ち着いている。ヘトヘトという感じではなく、疲労感が心地よいのだ。
チカチカするスクリーンの前で何杯か酒を飲むこともできるけれど、本を読もう。
そして眠る前にパートナーとゆっくり時間を過ごして、いちゃいちゃするのもいい。そのあと、別々の寝室で朝までぐっすり眠る。
「このふたり、ほんとうにうまくいっているの?」と思う読者も多いだろう。
関係がうまくいっていたら、同じ部屋で寝るはずだ。でもそれは、科学的には最悪の提案だ。
そしてもちろん、ウォーカー博士はそのことを知っている。彼は睡眠科学の第一人者であり、
「センター・フォー・ヒューマン・スリープ・サイエンス」の創設者でありセンター長でもあるのだから。
100以上の論文を発表し、著書の『睡眠こそ最強の解決策である』(SBクリエイティブ、2018年)はベストセラーだ。
ウォーカー博士は、1年間交際した恋人にこう言った。
「睡眠離婚してください」
睡眠不足のカップルはうまくいかない
研究によって、睡眠不足のカップルは身体的にも精神的にも親密になれないことを彼は知っていた。
10組のカップルのうち、1組は睡眠に関わりのあることが原因で別れてしまう。疲れてイライラしている人たちは概して、カッとなりやすい。
だからウォーカー博士とパートナーは、寝室を別にしようと決めた。そしてその選択に満足している。
「かなりうまくいっています。たっぷり休めているし、すべての面で僕たちの関係は良くなりました。
ぐっすり眠ると、テストステロン値が上がるんです。男女どちらの性欲も高めてくれます。
この事実を広めて、ベッドを別にすることへの偏見を払拭したいですね。だって言ってみれば、『寝ないもん負け』なんですよ。
健康にも愛情にも抜群に良いんですから」
この方法がすべての人に効果的だというわけではない、と彼は強調する。一緒に寝た方がぐっすり眠れるというカップルもいるだろう。
ウォーカー博士の研究は、睡眠にははっきりとした個人差があるという重要な結論にたどり着いた。
https://news.livedoor.com/article/detail/24017799/