【ワシントン時事】米紙ワシントン・ポスト(電子版)は15日、台湾が有事の際に中国軍による制空権掌握を阻止するのは困難だと、米情報機関が見ていると報じた。米空軍州兵が通信アプリ「ディスコード」を通じ流出させた複数の機密文書で判明したという。
米機密文書の流出問題は、台湾有事を巡る準備状況もさらけ出す格好となった。米メディアは今回の一連の流出を「ディスコード・リークス」と命名している。
流出文書に基づく報道によると、台湾当局は防空ミサイルで中国のミサイルを正確に迎撃できるとは考えていない。また、米情報機関は1発のミサイルを2発のミサイルで迎撃する現在の台湾の方針について、中国が複数の移動式発射台から大量に撃ち込んだ場合に「緊張を強いられる」と予想。ミサイル警報訓練も形骸化し、実戦への備えとして不十分だと批判した。
さらに、台湾軍の航空機は半分以上が完全に任務を遂行できる状態にはない上に、格納庫へ移動させるのに1週間以上かかると指摘。航空機の所在を分散させる前に中国がミサイル攻撃を仕掛ければ、大きな戦力を失うと警告した。
時事通信 2023年04月16日05時27分
https://www.jiji.com/sp/article?k=2023041600097&g=int