75歳で国家の保証を打ち切られる食糧危機の世界『定年退食』ヒョーキンは封印、シリアスな加藤茶と井上順が藤子・F・不二雄SF短編ドラマで共演(婦人公論.jp)
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NHKは、国民的漫画 「ドラえもん」の生みの親、藤子・F・不二雄生誕90年の2023年、藤子・F・不二雄さんが描いた大人向けSF短編から10作品を実写ドラマとして、4月からBSプレミアム・BS4Kで放送する。

その中の一つ、食糧危機に陥った未来の老人の悲哀を描いた 『定年退食』で共演した加藤茶さん、井上順さんは、4月14日発売の『婦人公論』5月号の対談で、本ドラマについて語っている。

井上「内容もさることながら、見どころの一つに加トちゃんのシリアスな演技があると思う。」

加藤「オファーを受けた時、僕はてっきり惚とぼけた顔して、ハゲ頭で登場するもんだと思ったんだけど、違ったのよ。今回はヒョーキンな加藤さんは封印してくださいって言われて不安になった。《ヘックション!》とかやらなくていいのかなって。」

井上「誰も知らない加トちゃんを見た気がして、新鮮だったよ。人間としての年輪みたいなものが味わい深くて、これはいい作品になるなって撮影中から確信していた。よくあんな自然体の演技ができるもんだなぁ。」

加藤「自分なりに考えて演じてたんだけど、監督が演技しないでくれと言うもんだから。それって結構失礼じゃない?でもこの歳になって、新たな一面を掘り出してもらえるなんて幸せなこと。まだまだ自分にも伸びしろがあるんだって希望が湧いてきた。」
(『婦人公論』2023年5月号より抜粋)

今回実写ドラマ化される作品は、以下の10作品。

4月9日(日)に放送された、鈴木福さん、田牧そらさん、柴崎楓雅さん、山本耕史さんが出演する、死んだクラスメートをめぐる怪事件からひも解かれる物語『おれ、夕子』。

もう一つが、又吉直樹さん、鈴木杏さん、遠藤憲一さんが出演する、悪魔との魂の取引をコミカルに描く『メフィスト惨歌』。

4月16日(日)に放送されるのは、加藤茶さん、井上順さんが出演する『定年退食』と、水上恒司さんが演じる、人の心の声が聞こえる不思議な実を手にした青年の物語『テレパ椎』。

4月23日(日)には、塚地武雅さんが演じる、締め切りに追われる漫画家がタイムスリップする『昨日のおれは今日の敵』。そして、青木柚さん、吹越満さん、望月歩さん出演の、ケンカの絶えない父子の心が入れ替わる一日を描く『親子とりかえばや』が放送される。

4月30日(日)には、金子大地さん、堀田真由さん、加藤清史郎さんが出演する、コロナ禍を彷彿させるウイルスのはびこる世界を描いた『流血鬼』が、前後編にて放送される。


また残りの3本、彗星が地球に衝突する事態を目前としたパニック模様を描く『箱舟はいっぱい』、この世のすべてに実在感を持てなくなったサラリーマンの物語『どことなくなんとなく』、宇宙船の密室で繰り広げられる船員たちのギリギリの攻防劇『イヤなイヤなイヤな奴(前後編)』は6月に放送予定。日程と出演者は後日発表される。

「ドラえもん」「オバケのQ太郎(共著)」「パーマン」「キテレツ大百科」など児童漫画の名作の数々を世に送り出してきた藤子・F・不二雄さんのもう一つのライフワーク、作品数110以上の刺激的でシュールな味わいのあるSF短編は、どれも傑作ぞろい。

「僕にとっての「SF」はサイエンス・フィクションではなく「少し不思議な物語」のSとFなのです。」と語っていた藤子さん。

笑い、涙、驚き、恐怖、様々な感情に揺さぶられる「少し不思議」な物語は、若手からベテランまでの実力派俳優たちによって、どのように届けられるのか。放送が楽しみだ。

加藤茶,井上順,「婦人公論.jp」編集部