[俳優 塩見三省さん]脳出血(1)「あまちゃん」後に倒れる
「じぇじぇじぇ」が流行語大賞になるほど大ヒットしたNHKの連続テレビ小説「あまちゃん」。
ドラマを彩った個性的な登場人物の一人、喫茶店の隅で黙って 琥珀こはく を磨いている掘削職人「琥珀の 勉べん さん」を演じて人気を集めた。
その「あまちゃん」翌年の2014年3月、脳出血で自宅で倒れた。
一命は取り留めたが、左手足などに後遺症が残った。体重も10キロ減ったが、
懸命のリハビリを行い、今年2月にテレビドラマで復帰した。

 「病気をする前のことは、もう夢の中のことのよう」。倒れた日を境に、何もかもが変わった、と振り返る。

 劇団出身で、多数の映画やテレビドラマで名脇役として活躍。「あまちゃん」後も充実していた。
NHK紅白歌合戦には共演者と登場して盛り上げた。
「楽しかったな。『あまちゃん』に関わった幸福がギューと詰まった1日でした」とブログにつづった。

 年が明けると2月までドラマ2本を抱え、東京と京都を往復する忙しい日が続いた。
新幹線の席は富士山を眺めるため、いつも窓側。車窓に映る自分の顔を見ては
「年を重ねてきたが、まだまだ、自分は旅の途中なんだな」と感じていた。

 「やりたい仕事で、すごく楽しかった」という撮影が終わって約1か月後の3月19日。
休みを自宅で過ごしていたが、朝から、何となく具合が悪かった。
https://yomidr.yomiuri.co.jp/article/20161004-OYTET50035/