「脳科学はマスコミが作り出した幻」一大"脳ブーム"を生み出したベストセラー本を精神医療の権威が完全論破

テレビ番組のコメンテーターとしてしばしば登場する“脳科学者”たち。
しかし、昭和大学医学部精神医学講座主任教授で同大学附属烏山病院長の岩波明さんは「堂々と脳科学者を名乗る人たちの大部分は科学者とも言えないし、『脳』の研究を自らしたこともない人たちが多い」という――。

 ※本稿は、岩波明『精神医療の現実』(KADOKAWA)の一部を再編集したものです。

■医学部に「脳科学科」はない

 脳科学という言葉が世の中に浸透するようになったのは、1990年代ころのことだと思われる。そう遠い昔のことではない。
現在では、「脳科学者」を名乗っている人が、テレビ番組のコメンテーターなどに登場することはまれなことではなくなっている。
それでは脳科学とは何かというと、そもそも日本の医学部に「脳科学科」という名称の部門は存在していない。

 大学において、脳に関する研究をしているのは、基礎医学の部門に加えて、神経内科、脳外科、精神科が相当している。けれども、いずれの部門も、世の中に浸透している「脳科学」のイメージとはピッタリ一致していない。

https://news.yahoo.co.jp/articles/88f63087c38c27e7ef8837aff31780cc79d93f25