東京都内で例年、自転車の盗難被害が目立つのが12月だ。忘年会の帰りに酔っ払いが勝手に乗っていったり、冬休みで夜遊びする少年らが盗んだり…。昨年は月別で最多の1847件に上った。被害に遭うか否かの分かれ目は、施錠の有無。警視庁蒲田署独自の防犯活動に同行すると、無施錠のまま駐輪されている自転車を何台も見かけた。
◆盗難被害件数は8年連続都内ワースト
大田区の蒲田署管内は坂道が少なく、自転車利用者が多い。管内の自転車盗難被害件数は、昨年まで8年連続で都内ワーストを記録。路上や駐輪場で盗まれるケースが目立つという。
12月中旬の昼下がり、署員2人とともに京急蒲田駅(大田区)近くの区営駐輪場を見て回った。歩きながら1台1台を確認する署員たち。「あった」「こっちもだ」と声が上がる。鍵が付いたままになっていたり、前かごにワイヤ錠が入っていたり。そもそも錠が付いていない自転車もあった。
◆わずか30分で無施錠の20台に鍵
署員たちは無施錠の自転車に次々とワイヤ錠を巻き付けていく。ダイヤルロックをかけて「解錠番号はお問い合わせください」と書いた紙も添える。「おせっかい」と掛けた署独自の「お節鍵せっかぎ作戦」。用意した20本の錠は、わずか30分で全て付け終えた。
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