【プレスリリース】高身長を招く新たな遺伝病を発見 ~原因不明の高身長に悩む患者さんの診断に貢献~ | 日本の研究.com
https://research-er.jp/articles/view/121306

国立成育医療研究センター(所在地:東京都世田谷区、理事長:五十嵐隆)の分子内分泌研究部 深見真紀部長、福井由宇子特任研究員、服部淳研究員、張若谷共同研究員は、システム発生・再生医学研究部 高田修治部長、市立美唄病院 松浦信夫医師らと共同で高身長症を招く新たな遺伝病を発見しました。本研究では、成長ホルモンが過剰に分泌されて 197.4 cm の高身長となった女性患者さんの遺伝学的解析を行ったところ、20 番染色体に小さな欠失があることが分かりました。この欠失によって、成長ホルモンの放出を促進させるホルモン遺伝子(GHRH 遺伝子)にTTI1 という別の遺伝子が結合していることが判明しました。患者さんの体内ではこの「融合遺伝子」が働いて成長ホルモンの分泌を増やしたと考えられます。同じ欠失を持つモデルマウスを作成して解析した結果、この仮説が証明されました。本研究によって内分泌疾患の新たな原因が発見され、原因不明の高身長に悩む方々の診断に役立つことが期待されます。本研究成果は、英国の医学専門誌 『Human MolecularGenetics』に 2023 年 4 月 18 日にオンライン公開されました。

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