「恵まれてるね」の偏見に苦しむ帰国子女の苦悩
華やかさの裏側にある苦しみは理解されない
https://toyokeizai.net/articles/-/510060?page=5
「帰国子女の苦労」なんて言われても、「何それ?」と感じる人が多いでしょうか。親は駐在員や外交官とか、「恵まれたおうち」の子でしょう? 語学は堪能で、勉強もできて、カッコイイし、うらやましい。苦労だなんてピンと来ない、と思うかもしれません。

「その華々しいイメージが、ずっと苦しかった」と話すのは、関西に暮らす百合さん(40代)です。お金の苦労は実際したことがないし、いまでは「貴重な経験をさせてもらった」と感謝もしている。けれど「その華々しいものの裏側にあるものを、少しでも知ってもらえたら」と、メッセージを送ってくれました。

オンラインは苦手だという彼女に会うため、大阪のとある百貨店のティールームを訪れたのは、今年の正月明けのこと。初めて連絡をもらってから、2年近く経っていました。品のいい調度品が並ぶ店内はパーテーションで細かく仕切られ、百合さんと私はマスクを上げ下げしながら紅茶を飲み、そっと話を始めたのでした。