https://atmarkit.itmedia.co.jp/ait/spv/2304/21/news021.html
最近、そんな「Arduino業界」にニュースが流れた。「Arduino UNO R4」にルネサスエレクトロニクスのArmコアマイコンを採用というニュースだ(Arduino.ccのニュースリリース「Arduino UNO R4 is a giant leap forward for an open source community of millions」)。近く販売開始されるらしい。
Arduino業界に詳しくない人に解説しておくと、Arduinoには仕様、形状や搭載マイコンの異なる多数の種類のボードがある。Arduino純正ボードはArduino XXX(「XXX」にはボードの名称が入る)という名を冠している。その中でも別格がArduino UNOである。このボードこそがArduinoエコシステムの中心といえるボードだ。
「XXX」の中に入る名前によっては、仕様的に少々「ハズレ」と思われるボードが存在しないわけでもない。しかしUNOはハードウェア的にも、ソフトウェア的にも中心といえる存在だ。
UNOを使っておけば、大抵のハードウェアもソフトウェアも使える標準機種なのである。そのUNO、現バージョンはR3という版である。R3にはMicrochip Technology(に買収された元Atmel)製のATmegaマイコン(RISCといいつつも8bit機)が搭載されている。ところがこのUNO R3の後継機型番のはずであるUNO R4にルネサスのArmコア製品が搭載されるというのだ。例えていえば、IBM-PCのインテル8088の後継機がインテル286でなくて、ルネサス製品になったようなものだ。
大きな一歩だが、ルネサスのマイコンがArduinoに採用されることは、既定路線ではあったのだ。何せ2022年にルネサスはArduino.ccに1000万ドル出資していたからだ。「金で買った」当然の採用とはいえ、UNOの名のもとにルネサスのマイコンが登場することは予想外だった。