日本最古のニワトリひなの骨 北海道大、奈良の唐古・鍵遺跡
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北海道大の研究者らでつくるグループは20日、弥生時代を代表する巨大な環濠集落跡「唐古・鍵遺跡」(奈良県田原本町)で見つかっていた骨が日本で最も古いニワトリのひなのものだと分かったと発表した。紀元前4~同3世紀のもので、同遺跡では遅くともこの頃から飼育、繁殖させていたと推定される。

 ニワトリは弥生時代に日本に持ち込まれたとみられているが、これまでに見つかった弥生時代の骨はほとんどが雄で、日本で繁殖させることができず朝鮮半島や中国大陸から運ばれたと考えられていた。

 江田真毅教授(動物考古学)によると、骨は大腿骨や骨盤の一部で、1995年の調査で見つかった。研究グループが2020年に確立したコラーゲンを質量分析する手法でニワトリと特定し、放射性炭素年代測定で年代が判明した。

 中国では文献記録から紀元前641年にはニワトリがいたと考えられるが、これほど古い年代の骨が特定された例は東アジアではないとしている。

 弥生時代のこの年代にニワトリを飼う目的は分かっていない。