女性のひきこもり 見過ごされてきた声

https://www3.nhk.or.jp/news/html/20230120/k10013950671000.html
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「高齢者施設の利用者に体を触られ、仕事が続けられなくなり、ひきこもるようになりました」
「結婚=ゴール、子どもを持つ=幸せ。それができない人は普通の女性として生きていけないのか、いつも疑問に思います」

長い間、主に男性の問題と考えられてきた「ひきこもり」。

しかし最近、支援機関には、ひきこもりの女性から切実な声が寄せられるようになっているといいます。

その声に耳を傾けると、誰にでも起こりうる状況、そして社会の“ゆがみ”ともいえるものが浮かび上がってきます。

「まだ実態が見えていない」女性のひきこもり

今回、私が取材を始めたきっかけは、仙台にある支援機関に女性からの相談が増えていること、そして、ひきこもりの女性を対象にした支援の取り組みが行われていることを知ったことでした。

相談にのる支援機関の担当者は、女性のひきこもりの背景には、社会的な役割の変化があるのではないかと指摘します。

仙台市 ひきこもり地域支援センター 秋田麻美子さん

「女性が社会に出ていくとか、女性も仕事をして輝いていくということもプラスされた世の中になったと思います。その中でもともと生きにくさを持っている女性たちが、その生きにくさプラス仕事もしないといけないとか、自立のプレッシャーをすごく感じる世の中かなと思います」


女性のひきこもりについて、実態はよく分かっていません。

平成30年度、国は40歳から64歳を対象に調査を行いました。

すると、ひきこもりの定義(「仕事や学校に行かず、かつ家族以外の人と交流せずに6か月以上続けて自宅に引きこもっている状態」厚生労働省)に当てはまる人のうち、専業主婦(夫)が12.8%、家事手伝いが6.4%と、女性のひきこもりの一端が浮かび上がりました。

しかし、支援にあたっている人たちの中からは、専業主婦や家事手伝いだけではなく、学生や仕事はあるのに家から出られない人など、女性のひきこもりにはさまざまな状況があるという指摘も出ています。