https://news.yahoo.co.jp/articles/0fe8c4e722c247c30c5308da6aabddcb68f09fb5

有名企業を立ち上げた男性が「インドで出家」したわけ。カネも地位も捨てて得た“幸せ”

「最も幸福度が低い年齢」と言われる50歳前後。「年功序列で出世し、一家の大黒柱としてバリバリ稼ぐ」という男の幸福モデルが破綻した今、我々はどう幸せを求めるべきか。現代の50代が考える幸せの新基準を探った。
有名な起業家が突如、インドに渡り出家
バリバリ働いて出世し、お金と名声を得る。それこそが「男の幸せの王道」だと信じられてきた。しかし、50歳手前でそれとは真逆の幸せを探す旅に出た人物がいる。

「今は龍光という名前を頂き、小野裕史という存在は“前世”だと思っております」

そう話すのは、「17LIVE」のCEOなどを歴任し、IT起業家として名を馳せた龍光氏(48歳)だ。丸刈り頭と黄色い袈裟姿からは想像もつかないが、ジモティーやグルーポンの立ち上げにも携わった元有名経営者である。

そんな彼が17LIVEのCEOを退任した’22年、突如、インドに渡り出家。何があったのだろうか……。

運命の師と出会って出家を決意
「もともと友人とインド旅行に行く予定だったのですが、同じ時期に、のちに師となる佐々井秀嶺氏の本に出合って感銘を受けたのです。

日本ではあまり知られていませんが、佐々井氏はヒンドゥー教徒が多数を占めるインドで10万人だった仏教徒を50年かけて激増させ、今でもインド仏教徒1億5000万人の頂点に立っている方です。

そんな偉大な人物を知り、『会ってみたいな』くらいの気持ちでインドに行ったのですが」

偶然は重なるもの。龍光氏の“友人の友人”が、佐々井氏の連絡先を知っており、なんと電話することになった。

「お話しして早々に『とりあえず来い』と言われ、佐々井氏がいるお寺に向かいました。この時点で運命的なものを感じていたのですが、いざお会いしてみたら、『キミは坊さんになって日本に帰るんだ』と勧誘されまして。

さらに、ちょうど3週間後には年に一回のインド仏教の行事があり、『そこなら出家できるぞ』と。もう90歳近いお年で、二度と会えないような方から名前を授けていただくのは今しかないと、出家を決断しました」