国連安保理 ロシアが公開討論主催も 各国はウクライナ侵攻非難
2023年4月25日 7時21分 ロシア

国連安全保障理事会の会合にロシアのラブロフ外相が出席し、ウクライナ情勢をめぐってアメリカが外交を放棄して状況を悪化させていると主張したのに対し、欧米など各国からはロシアが国連憲章に違反してウクライナに軍事侵攻し国連の信頼に傷をつけたと厳しく非難する意見が相次ぎました。


国連安保理の今月の議長国ロシアは24日「国連憲章の擁護を通じた多国間主義」をテーマに公開討論を主催し、ニューヨークを訪問中のラブロフ外相が議長を務めました。

はじめに、グテーレス事務総長が「国連憲章と国際法に違反したロシアによるウクライナ侵攻は市民に甚大な苦痛と荒廃をもたらした」と述べて、ロシアを非難したうえで、外交手段を通じた平和的な解決を改めて各国に呼びかけました。

このあと、ラブロフ外相は「世界は冷戦期と同じか、より危険な状況だ。ワシントンとその同盟国が外交を放棄して戦場で関係を明確にすることを求め、多国間主義への信頼が失われ状況は悪化している」などと述べ、国連を中心とした多国間主義システムを欧米各国が弱体化させていると主張しました。

これに対し、欧米など各国からは、国連憲章に違反しウクライナに軍事侵攻したロシアを非難する意見が相次ぎました。

このうち、アメリカのトーマスグリーンフィールド国連大使は「偽善に満ちたこの会合を開いたロシアこそ、ウクライナに侵攻し、国連憲章とわれわれが重視するすべての価値観の根幹を打ち砕いた」と非難しました。

また、日本の石兼国連大使も「拒否権の行使で安保理をまひさせ、信用を傷つけている」と述べ、双方による非難の応酬となりました。

https://www3.nhk.or.jp/news/html/20230425/k10014048011000.html