実の父親からの性的虐待は保育園のころから…「このままじゃ生きられない」女性の訴えは届くか

https://newsdig.tbs.co.jp/articles/-/360498?display=1

幼いころに父親から性的虐待を受けた女性の話です。

「このままじゃ生きられない」―。そう感じた女性は、父親を相手に裁判で闘っています。

女性は、幼いころの父親の性的虐待が原因で大人になってからPTSDを発症したとして、3年前、父親におよそ3700万円の損害賠償を求める民事裁判を起こしました。

そして、去年10月に出た判決では、1審の広島地裁は父親による性的虐待があったことは認めたものの、女性が性的虐待を受けた当時の民法は、「被害が生じてから20年経つと損害賠償を請求する権利が消滅する」と定めていたことから、父親への損害賠償請求を認めなかったのです。

女性は、控訴し、近く、2審・広島高裁での裁判が始まります。

広島市に住むあやさん(仮名・40代)です。

あやさん(仮名・40代)
「裁判をしないと自分がつぶれてしまう、苦しくて死んでしまうなって。父とのことに向き合わないと」

あやさんに父親からの性的虐待が始まったのは、保育園に通っていたころでした。

父親のひざに乗せられてアダルトビデオを見せられ、体を触られたことを覚えています。

小学校4年生のクリスマスの日、性交を強要され、それは中学2年生になるまで続きました。

あやさん(仮名・40代)
「『いい? それともこっちがいい?』と、行為をされることしか選択肢がなくて、『嫌だ』と断ることを教えてもらえない」

まだ子どもだった女性は、その行為が「虐待」だとは、分かりませんでした。

あやさん(仮名・40代)
「『好きだからやるんよ、誰にも言っちゃいけない』とずっと言われてきて、被害に遭っているっていうのが分からない。そのうちそのことが苦痛すぎて自分の頭で考えられなくなっている」

父親の行為はいつしか終わりましたが、自分では気付かないうちに気持ちをぐっと抑え込んだまま、あやさんは大人になりました。

周りの人を信じられず、なぜか生きづらい、苦しい時間が続きました。

そして、きっかけは数年前です。

大好きで頼りにしていた祖母が亡くなります。

そのころからだんだん感情がコントロールできなくなり、何十年も前に父親から受けた性的虐待が、フラッシュバックするようになったのです。

「このままじゃ生きていけない」―。そう思ったあやさんが、わらにもすがる思いでたどり着いたのが、性被害者をサポートするNPOでした。