トルコ大統領26、27両日のイベント中止-体調不良でTV出演中断の後

トルコのエルドアン大統領は26日、投開票まで1カ月を切った大統領選挙の関連イベントを3つ中止した。前日夜に行われたテレビインタビューの最中には体調不良に見舞われ、放送が数分間中断。同氏はウイルス性胃腸炎だと説明していた。

  また、事情に詳しいトルコ高官が匿名を条件に語ったところでは、大統領は27日に予定されていた地中海沿岸の都市メルスィン訪問を取りやめ、オンラインでのイベント参加に切り替えることにした。大統領府はコメントを控えた。

  最高権力者となってからの20年間、エルドアン氏(69)は疲れを知らないタフな男としての評価を築き、予定を中止することはほとんどなかった。それだけに、生放送のインタビュー中という公の場での突然の事態に視聴者は衝撃を受けた。放送中断直前にカメラはエルドアン氏を捉えず、質問者の方を映していたが、同じ部屋にいた人が「なんと言うことだ」と心配して叫ぶ声をマイクが拾っていた。

  エルドアン氏は2003年に権力を掌握して以来、最も厳しい選挙を闘っている。トルコ市民が生活費のやりくりの面で、過去20年間で最悪の危機に苦しむ中、野党6党はエルドアン氏を権力の座から引きずり下ろそうと共闘している。

  野党連合は5月14日に行われる大統領選挙の統一候補として、共和人民党(CHP)のクルチダルオール党首(74)を選んだ。クルチダルオール氏はエルドアン氏の速やかな回復を祈ると、ツイッターに投稿した。
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2023-04-26/RTQD28DWX2PW01