岐阜市芥見の東海第一幼稚園で2017年、ほかの園児とぶつかり内斜視の後遺障害を負ったのは、園側に監督責任などがあるとして、年中クラスの男児(当時4)側が、園を運営する学校法人に2028万円の損害賠償を求めた訴訟の判決が26日、岐阜地裁であった。鳥居俊一裁判長は、安全配慮義務違反を認めて請求額と同額の支払いを命じた。

 判決によると、事故は17年7月20日午後2時ごろに起きた。園児らが遊具を片付けるため遊戯室の外にある道具箱へ行き来していた際、遊戯室から走ってきた園児と男児が1階ホールで衝突。男児は頭を強く打ち内斜視と診断された。相手の園児も前歯が折れた。

 判決は、道具箱が遊戯室から死角となる場所に置かれていたと指摘。「不意に衝突する事故が発生する危険性は十分認められ、園側が予見することは容易だ」と指摘し、園児らの近くで監視・監督する教諭らを配置する義務があったが、怠ったと認めた。また、「園児らが衝突しないような場所に道具箱を設置する義務も怠った」とした。

 地裁判決は、事故と内斜視について、「相当因果関係が認められる」と判断。その上で、逸失利益を1435万円、男児に後遺障害が残った慰謝料として550万円などと算定した。

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