静岡県裾野市のさくら保育園で園児に虐待した疑いで、当時の女性保育士3人が逮捕された事件をめぐって、検察は4月25日、1人を略式起訴、ほか2人については不起訴処分としました。
 
暴行の罪で略式起訴されたのは、裾野市のさくら保育園で保育士をしていた女性(38)です。

起訴状によりますと、38歳の元保育士は2022年6月、保育室内の棚で仰向けに寝転んでいた当時1歳の園児の両足首をつかんで棚から引っ張り出した上、逆さにして宙づりする暴行を加えたほか、2022年7月には当時1歳の園児の手を掴んで手足口病が疑われる別の園児の尻の発疹に触れさせる暴行を加えた罪に問われています。

同じく逮捕、送検されていた31歳と39歳の元保育士の女性2人については、不起訴処分としました。検察は不起訴の理由を明らかにしていません。不起訴処分になった39歳の元保育士の弁護士が取材に応じました。

<原孝至弁護士>
「不起訴というか結果自体は相当な結果だったと思う。私が担当した方については証拠が十分だったのかという点、それから仮に証拠が十分だったとしても刑事処分を科す水準に達していなかったという判断と思う」

一方、警察や検察の捜査とは別に静岡県と裾野市は独自に調査を実施。元保育士3人の行為として通報があった16事例のうち、「園児の頭をバインダーで叩く」「足をつかんで宙づりにする」など9つを事実認定しています。

そして、さくら保育園を運営する社会福祉法人に対して、改善勧告を出しました。さくら保育園は改善勧告に対して、再発防止策をまとめる一方で、25日の元保育士3人の処分結果については「園長が不在のため対応できない」とコメントしています。

https://news.yahoo.co.jp/articles/f5339702275c9631d05ff24afbba697e1f69cfa8