「金に困ってるなら立ちんぼ(売春)してみなよ」などと女性客をそそのかしたとして、警視庁保安課は27日、東京・歌舞伎町のホストクラブ従業員、江川誉容疑者(25)=住所不詳=を売春防止法違反(客待ち)の教唆容疑で逮捕したと発表した。容疑を認めている。売春をそそのかした行為の摘発は60年ぶりという。

売春防止法では、相手をだましたり、脅迫や暴行を加えたりして売春をさせることや、売春をあっせんする行為を禁じている。

 警視庁はこれまでも、女性客を脅して売春を強要したり、あっせんしたりしたホストの摘発を進めてきた。しかし、脅迫めいた言動や無理強いはないものの、ホストから「もっと稼げるよ」などとそそのかされたことをきっかけに売春を始める女性客も後を絶たず、警視庁は売春を促すホストの行為が教唆容疑に当たると判断した。

逮捕容疑は3月初旬、都内のいずれかの場所で、女性客(当時23歳)に「生活費に困っているなら立ちんぼしてみなよ。立ちんぼで稼いだら店でも会えるし返済もできる」などとそそのかし、路上で売春の客待ちをさせたとしている。

 同課は4月、新宿区立大久保公園前で売春の客待ちをしていた女性を、売春防止法違反(客待ち)容疑で摘発。女性の供述などから、江川容疑者が売春するようそそのかしたことが判明した。

 同課によると、女性は多額の借金を抱え、生活費に困っていたという。江川容疑者は「立ちんぼをすれば簡単に稼げると思い、自分の売り上げを上げるために売春するようそそのかした」と供述しているという。【高井瞳】

https://mainichi.jp/articles/20230427/k00/00m/040/077000c