「狂った熱量」は事業を伸ばす上で強い武器になる
他社が参入しづらい領域を選ぶことも大切ですが、このときに参入障壁になる要素としては「自分の強みが活かせる」や「他社がコンプライアンス的に参入できない」などが挙げられます。
私がやっていた音楽メディアの場合、私が元々音楽をずっとやってきていることに加え、収益化をしていて、音楽に対しての知見や熱量が人よりもかなり多いという強みがありました。
「自分の得意分野である」というのは、新規参入の際に考慮してよい条件です。
「人よりもめちゃくちゃ好き」という狂った熱量は、事業を伸ばす上で想像以上に強い武器になります。
ここで重要なのは人よりも“めちゃくちゃ”好きということです。
「人並みに好き」程度では強みにならず、人がついていけないくらい狂ったように好きで初めて、競合と戦える武器になります。
オナホ市場の場合、当時はWebマーケティングで圧勝しているオナホメーカーがまだ存在していませんでした(最近ではWebマーケティング発のD2Cブランドが増えていますが、オナホ市場ではWebマーケティング発のD2Cブランドはまだ存在していなかったのです)。
昔ながらの老舗メーカーが多く、「Webでも販売はしているものの、主な販路は小売店」という販売会社がほとんどでした。
つまり、私が得意なWebマーケティングが強みになるということです。
さらにアダルトグッズだと、「上場企業」や「上場を視野に入れている企業」が参入できないという「他社がコンプライアンス的に参入できない」という障壁もあります。
そのため、市場規模が大きいにもかかわらず、競合数が少ないのです。
勝敗を分ける納品スピードが出せる商品か
また製造しやすい商品だと、納品スピードも早い傾向にあります。
最短で商品を発売したり、商品改良のサイクルを早めたりできるため、PDCAが回しやすく、Webマーケティングとの相性も良いです。
特に流行に左右されやすい商品は、発売までのスピードが勝敗を分けます。
「企画段階では絶対イケる市場だったのに、開発に時間がかかって発売する頃には流行が終わっていた」なんてことを避けるために、納品スピードは必ず確認するべきです。
また「商売の基本は、安い値段で仕入れて高く売る」と言われているくらい、高価格で売り出しやすいかどうかは重要です。
より厳密に言うならば、「高い値段で売っていても違和感がない」ということです。
日用品などの顧客にとって価格相場がある程度決まっている商品は、よほど高級路線のブランディングが上手くない限り、価格競争に巻き込まれやすいです。
例えば、1ロール1000円のトイレットペーパーを売るのは、「トイレットペーパーの相場はせいぜい1ロール20円〜50円程度だろう」とわかっている顧客にとって「高い」と感じやすく、購入へのハードルが上がります。
ところがオナホ市場は、一般的な価格のイメージがつかみにくいため高価格帯で売り出しやすいのです。
実際に、オナホの相場は3000円前後ですが、自社商品は5000円台で販売しています。
https://president.jp/articles/-/68911?page=1