貧困が子どもの発達に影響することが研究で分かっていますが、新たに、両親の収入が子どものキャリアに影響を与えることが明らかになりました。この研究では、大学教員(教授・教員)の親のどちらかが博士号を持っている割合が、一般人と比べたとき25倍にもなるというような数字も出てきています。
この問題を取り上げたのはスイス・バーゼル大学の物理学者デイビッド・ブロードウェイ博士が運営する科学系YouTubeチャンネル・Science Discussed。
社会経済的な地位は、科学分野の教授になれるかどうかの一番の指標といえます。たとえば、教授の両親が博士号を持っている確率は一般人の25倍だとのこと。この傾向は数十年以上にわたるもので、近年はさらに強まっているそうです。
「科学は、すべて素質の領域であるべきです。教授になるには科学者としての能力、教師として教える能力、指導者としての資質が必要なのであって、両親の収入や教育レベルとは関係ないはずです」とブロードウェイ氏。
しかし、残念ながらそうなっていないことが、Nature Human Behaviourに掲載された「Socioeconomic roots of academic faculty(大学教員の社会経済的ルーツ)」という論文で示されています。
https://gigazine.net/news/20230428-parents-income-affects-childs-career/