「映画館には行ってないけどSNSで観た」

中国メディアの中国新聞網は27日、中国で大ヒットを記録している日本のアニメーション映画
「THE FIRST SLAM DUNK」について、「映画館には行っていないけどSNSのグループで観た」
というユーザーが現れるほど盗撮が深刻になっていると伝えた。

同作は今月20日に中国で公開されると、瞬く間に大ヒットを記録。前売りの興行収入で海外
アニメ映画歴代1位を記録したほか、公開からわずか5日で興行収入4億元(約78億円)を
突破しており、日本アニメ映画歴代1位の「すずめの戸締まり」を超えるとも予想されている。

一方で、人気に比例するように映画館での盗撮も増えている。映画「スラムダンク」の微博公式
アカウントが盗撮をしないよう注意を呼び掛けたものの、SNSではネタバレ画像やショート
動画の投稿はやむ気配はなく、25日には「スラムダンクが史上最悪のスクリーン撮影に遭う」
が微博でトレンド入りした。

記事によると、同作のハイライト部分を編集してまとめSNSで公開し、多数の「いいね」を獲得する
ネットユーザーもいた。公開初日に映画館に足を運んだというある観客は「SNSでは1日中
(『スラムダンク』の画像や動画が)飛び交っていました。特に公開初日の午前0時の回は
(盗撮が)ひどかったです。

ただ、「映画館で迷惑になるのは間違いありませんが、インターネットがこれだけ普及している
状況ではそれを止める方法はほぼありません」とし、「今、こうした行為が行われていない
映画があるでしょうか。自分で自分を律するしかありません。私は発表されているポスターや
公式画像を探してSNSでシェアするようにしています」と語った。

小学生のころからスラムダンクの大ファンだという薛(シュエ)さんは「何年も待っていました。
今回の映画は夢がかなったようなものです」と期待に胸を膨らませるが、SNSで「ネタバレ」
に遭った。「まだ観ていないのですが、予告とSNS、ショート動画プラットフォームへの
投稿を見ると、大体のあらすじが分かってしまいます」と苦言を呈した。

記事によると、盗撮をめぐっては否定派と肯定派とで意見が割れているといい、「著作権の侵害だ」
と訴える人もいる一方、「映画を観た人がSNSで発信することでより多くの人が映画館に足を
運ぶようになる」と主張する声もあるようだ。

映画館での盗撮行為は権利侵害になるのかについて、ネット上には「写真撮影なら権利侵害に
はならない」「全編を録画した場合は違法だが、一部の録画は違法ではない」「私が利益を
得ているわけではないから権利侵害ではない」といった主張が並ぶ、

映画を盗撮し、SNSなどで拡散する行為について「なぜ著作権者は彼らを訴えないのか」との声もあるが、
左弁護士は「現実的に考えて、映画の上映期間中に著作権者が訴訟を起こす可能性は低い。
訴訟が長くなり、裁判で得られる利益も少ない。映画の宣伝に影響を及ぼす可能性もある」と述べた。
https://www.recordchina.co.jp/b913225-s25-c30-d0052.html