上海ショーについての評価を私が「この人なら」と思える自動車メーカーの人達に聞いているのだけれど、そこで感じることは中国って自動車産業のレベルだけでなくナショナリズム(国産愛好精神)が急に育ってきたこと。今までは外国製品に憧れてきたけれど、中国企業で負けない製品を作れるようになれば迷わずソチラに向く。最近、家電製品も中国ブランドが伸び始めた。

実際、上海ショーに出展されていたクルマを見ると中国車の方が夢があり、ワクワクする。対して日本も欧州も保守的。一般公開日は混雑する中国車のブースに対し、日欧米のブースなら普通に歩ける状態だったという。そして日本勢が電池調達コストで苦しむ中、BYDは補助金無しので中国で2023年1月~3月期は5倍の利益を生み出した。勝負しようとしたら赤字覚悟になる。

100歩譲って赤字覚悟の投資をしても、おそらくナショナリズムが育つにしたがって国産嗜好はさらに強まると思う。日欧米の自動車メーカーと組んでいる第一汽車や東風汽車、広州汽車などは日米欧から技術を習得したということで、合弁企業じゃ無く独自で自動車の開発をすすめており、今後、たくさん出てくるようだ。日米欧との合弁企業の台数減っても問題無し。

日米欧にさよならする準備は整いつつある。すでに日米欧ブランドの販売台数は落ち始めており、歯止めを掛けることは難しいかもしれない。今後、どういう戦略を取るのか真剣に考えなくちゃならないと思う。中国、10年後は日本と同じくらいの外国車比率(おおよそ10%ですね)くらいになると想定しておくべき。損害を最小限に抑える撤退作戦が必要。

さらに怖いのが東南アジアに代表される欧州でもアメリカでも無い国の市場だ。タイなどは中国の企業が続々進出している。インドネシアやマレーシアも狙ってます。ここにきてベトナムのバイク市場を本格的にタードットにしたと聞いた。ベトナムでホンダに勝てれば新興国全てで勝てるという戦略らしい。ちなみに中国駐在の皆さんは「相当厳しいです」と思っているようだ。

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