https://www3.nhk.or.jp/news/html/20230421/k10014044401000.html
潰瘍性大腸炎の患者に腸内細菌を移植 “先進医療”として初
健康な人の腸内細菌を、難病の「潰瘍性大腸炎」の患者に移植して症状の改善を目指す治療法について、順天堂大学などは公的な保険が適用される治療と併用できる「先進医療」として初めてとなる移植を行ったと発表しました。今後、保険が適用される治療法としての承認を目指すとしています。
潰瘍性大腸炎は大腸の粘膜に炎症が起き激しい腹痛や下痢などを繰り返す国指定の難病で、患者は国内に22万人以上いると推計されています。
順天堂大学などのグループは、潰瘍性大腸炎の患者に対する健康な人の便から採った腸内細菌の移植を、保険が適用される治療と併用できる先進医療として今月17日に初めて行ったと発表しました。
今回は血便や下痢などの症状がある30代の男性患者に健康な人の腸内細菌を移植したということで、グループは今後1年間で患者37人に対して腸内細菌の移植を行って安全性や有効性を確認し、保険が適用される治療法としての承認を目指すとしています。
腸内細菌は体の免疫機能を調節するなど、さまざまな病気に関わっていると考えられるようになっていて、移植によって治療を目指す研究は世界的に進んできているということで、順天堂大学の石川大准教授は「移植した腸内細菌が患者の体内で適合するならば、高い効果が期待できると考えている」と話しています。