ウクライナは奇抜な戦略を使ってウォール街を味方につけようとしている。
政府関係者は今年、300億ドル(約4兆3500億円)余りの国際融資と援助を取り付け、ウォール街の投資家から60億ドル規模の債務支払い免除を引き出した。今度は、諸外国の支持に裏付けされた債券発行を通じて数百億ドルの調達を目指している。手本は、1980年代にメキシコなど途上国の債券市場復帰に貢献した「ブレイディ構想」だ。
ウクライナは、戦時下で経済機能を維持し、戦争が終結すれば復興するために資金を必要としている。世界銀行は報告書で、ウクライナは来年予算を360億ドル(約50%)超過する見通しで、復興には3490億ドルが必要になると試算している。
こうした中、ウクライナ財務省は資金手当てに向け、自国の軍隊と同じように「奇策」に出ており、想定外の勝利を収めている。新興国の債務再編は通常、数カ月から数年を要するが、ウクライナは約3週間でやってのけた。最近では、戦費調達を目的とする新発債を国民が購入できるよう新規アプリを導入している。
https://jp.wsj.com/articles/ukraine-takes-unorthodox-pitch-to-wall-street-to-raise-billions-in-debt-11665104302