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尾張藩士の朋飼佐平治ともかいさへいじは、雨の日に傘を差して歩いていると、町人がぶつかってきました。佐平治は「武士にぶつかっておいて詫びもないとは無礼であろう」と咎とがめます。

ここで町人が謝れば、問題は起きなかったのですが町人は無視して逃げようとします。怒った佐平治は無礼討ちにしようと町人を追いかけて捕まえますが、丸腰の相手を斬るのは武士の名折れと、脇差を差し出して掛かってくるように命じます。

しかし、脇差を与えられた町人は、そのまま逃げてしまい、さらに佐平治を負かして脇差を奪ったとデマを流してまわります。佐平治は脇差を渡した事を後悔しますが、この落とし前は必ずつけると書置きを残して藩を出奔し、自分を中傷した町人を見つけ出すと、一家全員を撫なで斬りにして滅ぼしたそうです。