1位・阪神60.00%、最下位・楽天24.19%…選手会の満足度調査に球団の言い分

 日本プロ野球選手会が先週発表したアンケート結果に、球団が困惑している。

 これは外国人選手を除いた714人の加入選手を対象とした年俸の調査結果で、2022年オフの契約更改交渉に関するアンケート調査である。
「満足度」1位は平均年俸が12球団中7位の阪神だった。

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 選手会は2018年オフから「満足度ランキング」という形で調査を開始。21年オフ分から公表されている。
5段階評価の「大きく満足」と「満足」の上位2つを選んだ合計ポイントが阪神は12球団トップの60.00%で過去最高。最下位は楽天の24.19%だった。

 ある球団の幹部は「このアンケートは印象操作ではないか」とこう指摘する。

「年俸額、年齢、勤続年数など選手の立場は全く違うのに、高卒1年目の若手と20年目のベテランが同じ1票。
どの層が多く満足しているか、高額の選手か低年俸の選手かでも、満足度の意味合いが違ってくる。
さらに5段階で上位2つの合計を提示するのは妥当なのか。球団としては、満足でも不満でもない3番目の層こそ重要と考えている。
例え満足していても、選手は満足しているとは答えないもの。球団にこれでいいと思われてしまうからです。
さらに悪意を感じるのは、割合をパーセントで出すことです」

 どういうことか。この幹部が続ける。

「1位の阪神は55人中33人が満足で60%。11位の日本ハムは58人中23人で39.66%が満足しているというが、
よく見ると、1位と11位で10人ほどしか違わない。上位の4位ヤクルトを見ても、54人中26人で48.15%。日本ハムとたったの3人しか違いません」

■選手会からは4項目の要望が

 アンケート調査とは別に、選手会からは各球団に次の要望が届いているという。

①査定方法、査定ポイントの公開

②全選手に対して査定方法を説明

③契約更改交渉前の査定資料の提示

④契約更改の前日までに選手に提示金額を伝達

 全ての要望に応えている球団もあるにはあるが、応じていない球団がほとんどだという。

「昨年からこのアンケートが公表されるようになったのは、選手会が対応が問題視される楽天に圧力をかけるため。
今後は次の3つのカテゴリーに細分化してアンケート調査をするべきではないか」(別の球団関係者)

①「契約別」
アップ、ダウン査定のどちらの選手?

②「年俸額別」
420万円~1600万円
1601万円~5000万円
5001万円~1億円
1億1円以上

③「成績別」
一軍出場なし
1試合~30試合
31試合~70試合
71試合以上

 この関係者は「選手会が公表するアンケートの数値だけを見て『いい球団』や『悪い球団』というイメージを持たれるのは困る」と指摘している。

https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/sports/322406