ライブ会場のミストのせいで両手足を切断! 悲劇はなぜ起こった?

気温が上がってくると各地で見られるようになるミストシャワー。うだるような暑さの中、ひとときの清涼感を提供してくれる砂漠のオアシスのような存在だが、これが原因で両手足を切断することになった女性がアメリカにいる。

 テキサス州タイラーに住む22歳のエヴリン・デイヴィスさんは、2022年6月にライブコンサートに参加した数日後に体調を崩し、病院で敗血症と肺炎の診断が下された。16日間の昏睡状態に陥った後、“奇跡的に”目を覚ましたとき、彼女は四肢を切断する必要があることを知った。

 彼女はレジオネラ症になっていたのだ。レジオネラ症は、河川や土壌に生息しているレジオネラ属菌に感染することで、最近感染により重篤な肺炎を引き起こす。適切な治療がなされなかった場合には命にかかわることもある。

エヴリンさんはライブ会場に設置されていたミストシャワーから細菌感染したと見られている。衛生的でないミスト発生装置にレジオネラ属菌が繁殖することがあり、東京都福祉保健局も注意を呼び掛けている。

エヴリンさんには血圧を安定させるための薬が投与され、手足の血流が絶たれた。目を覚ましたとき、「手足が真っ黒で冷たいので、何かがおかしいと感じた」という。その後、彼女は両足の膝下を切断し、右腕は手首から上、左腕は肘の手前から切断した。

手足がない状態で目が覚めたとき、エヴリンさんは「まあ、仕方ないか」と思ったという。彼女は手足を失った代わりに、医師が懸念していた臓器へのダメージはほぼなかった。手足と引き換えに一命を取り留めたと言うこともできるかもしれない。

 医師はエヴリンさんに介護施設への入所を勧めたが、いまでは自動車教習所に通い、障害者モデルになった。今後は社会福祉の学位を取得して、将来は患者の支援者になりたいと考えているそうだ。両手足を失っても彼女は希望を失っていない。

「人や友人を失うと思ったけど、みんな私の周りを常に取り囲んでくれています。みんな、私が一人じゃないことを確認するために尽力してくれています。」(同)

https://tocana.jp/2023/04/post_249898_entry.html