英国防省は2日までに公表したウクライナ戦況分析で、ロシアが昨年夏以降、ウクライナとの国境に近い自国領内に全長数百キロにわたる大規模な塹壕を構築したと指摘した。ウクライナ軍が計画する大規模反攻への強い警戒の表れと分析している。

英国防省は、2014年にロシアが併合したウクライナ南部クリミア半島北部のほか、ウクライナに近いロシア西部ベルゴロド、クルスク両州などで、塹壕の存在を画像で確認した。

ただ、こうした塹壕の一部はロシアが北大西洋条約機構(NATO)やウクライナに脅かされているとの主張を広めるために、地元の軍司令官らが建設を命じた可能性もあるとしている。ウクライナとの国境に近いロシア西部では、ウクライナ側からの越境攻撃が続き、ロシアは警戒を強化。ベルゴロド州の知事は今年1月、ロシアのウクライナ侵攻以来、無人機などによる攻撃で州内の市民25人が死亡したと報告した。

4月30日には西部ブリャンスク州南部で砲撃のため、市民4人が死亡。同州では5月1日にも石油製品などを運んでいた貨物列車の一部が脱線した。(共同)

https://www.sankei.com/article/20230503-7Q42I42QSFLIBJL3QEUF5JONI4/