利根川に新橋整備方針 群馬・千代田町―埼玉・熊谷市間 山本知事が関係6市町長に伝える

群馬県千代田町と埼玉県熊谷市をつなぐ「利根川新橋」建設構想について、群馬県の山本一太知事は1日、整備に着手する方針を明らかにした。
埼玉県も本年度予算に事業化に向けた調査費を計上しており、今後両県でルート確定に向けた協議を進める。整備されれば周辺道路の慢性的な渋滞解消や物流の効率化、災害時の緊急輸送路の確保が期待される。

新橋整備は、栃木県を含む3県の関係市町でつくる建設促進期成同盟会(会長・小林哲也熊谷市長)が25年以上にわたって要望を続けてきた。
山本知事は同日、県庁を訪れた県内6市町の首長に整備方針を示した。

整備するのは、国道407号刀水橋と県道足利邑楽行田線の武蔵大橋の間。両橋は約10キロ離れている。
間に位置する県道熊谷館林線は現在は橋がなく、県道の一部として赤岩渡船が運行されている。周辺の工業団地や住宅地の開発が進んだことに加え、武蔵大橋は幅員が狭いため刀水橋に交通が集中し、渋滞が慢性化していた。

災害時の緊急輸送も懸念され、県は2020年策定の「ぐんま・県土整備プラン」では新橋を含む県道熊谷館林線のバイパスについて「着手に向けて検討する事業」としていた。

新橋の詳細な整備内容や時期は未定だが、刀水橋や下流の国道122号昭和橋は長さ800メートル以上あり、同程度とみられる。事業費は数十億円規模となる見込み。
橋の事業費は群馬、埼玉両県が半分ずつ負担する。埼玉県によると、利根川の同県側の堤防整備や河川敷の利用などの課題が整理されつつあるという。

山本知事は1日、7月に知事選を控え、自身の政策を説明する会見でも整備方針を説明した。
複数の地域から利根川新橋の要望がある中、この場所を選んだ理由を「橋の間隔が最も広い。整備効果が高いと判断した」と述べた。

期成同盟会の副会長を務める高橋純一千代田町長は「英断をしてもらった。周辺は工業出荷額が多い地域。橋ができれば経済活性化や災害対策の効果は非常に大きい」と話した。

https://www.jomo-news.co.jp/articles/-/277490