米国務長官「中国と定期対話、再構築を」 年内訪中意欲
【ワシントン=坂口幸裕】ブリンケン米国務長官は3日、年内の中国訪問に意欲を示した。米本土に中国の偵察気球が飛来したのを受け、2月に計画していた訪中を延期していた。米中関係について「あらゆるレベルで定期的な意思疎通を再構築するのが重要だ」と表明した。
米紙ワシントン・ポストが主催した会合で語った。ブリンケン氏は「我々は中国と競争している。競争が衝突に発展しないようにすることに強い関心を持っている」と指摘。現在は軍の高官同士のパイプも細っており、軍事衝突を含む不測の事態に陥らないよう対話を維持する必要性を唱えた。
ブリンケン氏の訪中は、バイデン米大統領と中国の習近平(シー・ジンピン)国家主席が2022年11月にインドネシアで対面会談した際に合意した。中国は気球飛来を巡る見解の違いや台湾の蔡英文(ツァイ・インウェン)総統の訪米などに反発し、実現のメドは立っていない。
米国の閣僚ではブリンケン氏に加え、イエレン財務長官とレモンド商務長官も経済問題の協議に向けて訪中を探っている。
クリテンブリンク米国務次官補(東アジア・太平洋担当)は2日の連邦議会上院の公聴会で、近く議会に包括的な対中戦略を提示すると明らかにした。国防予算の大枠を定める「国防権限法」に基づく措置で、7月上旬までに示すよう求めている。
米国は台湾統一に向けて武力行使を放棄しない中国への警戒を強める。米情報機関は中国が台湾侵攻をにらんで米国の介入を抑止できる軍事力を27年までに整える目標に取り組んでいると分析する。
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