ウクライナが開発した低コスト巡航ミサイルTrembitaはロシア軍の防空システムを消耗させます
2023-05-03 2023-05-03 ニュース ウクライナ, ミサイル
ウクライナが開発した低コスト巡航ミサイルTrembitaはロシア軍の防空システムを消耗させます
ウクライナのスタートアップ企業はパルスジェットエンジンを搭載した低コスト巡航ミサイル「Trembita(トレムビータ)」を開発しました。
Trembitaミサイルはパルスジェットエンジンを動力源にしています。これは構造が単純で市販されている材料からでも製造が可能で、エンジンはレギュラーガソリンで稼働するなどある程度知識があればDIYレベルで作成できる低コストと大量生産可能な点が特徴です。ミサイルはグライダー型で発射にランチャーなどは必要とせず、カタパルトから発射されます。技術的には第二次大戦時の初期ミサイルと同じレベルで構造的にはドイツ軍が使用していたV1ミサイルと同じです。最大射程は140km、巡航速度は400km/h以上のスペックを有します。
目的はロシア軍の防空システムを消耗させること
ミサイルとは言うもののTrembitaにはセンサーや光学機器といった高度な誘導装置は無く、ピンポイントで標的な狙うといった現代的なミサイルではありません。そもそもTrembitaはそのような使い方を目的していません。Trembitaはウクライナの”伝統楽器なラッパ”の名前になり、大きな騒音を立てながら飛行し、熱信号を発し、敵に発見されやすいミサイルです。しかし、それが狙いです。ミサイルを発見したロシア軍は撃墜せざるを得ず、防空ミサイルS-300やS-400を起動させ、Trembitaを迎撃します。Trembitaは説明したようにDIYでできるような簡易的な兵器です。おそらく自爆ドローンよりも安価です。それを撃墜するために、ロシア軍は数千万から数億にもなる防空ミサイルを使う羽目になります。
ロシア軍は部品不足で満足に量産が進まず、ミサイル不足が続いており、防空ミサイルでさえも地上攻撃に利用している状況であり、Trembitaはロシア軍のミサイルを更に消耗させることを狙っています。Trembitaには20kgの弾頭が搭載されており、精密攻撃はできませんが、一度に複数を発射することで、飽和攻撃を行うことを考えており、撃墜しなければロシア軍陣地が攻撃を受けます。Trembitaにとっては撃墜されてもされなくても攻撃は成功になります。
https://milirepo.sabatech.jp/ukrainian-low-cost-cruise-missile-trembita-exhausts-the-air-defense-systems-of-the-russian-army/