約100年間オーストラリアの博物館に保管されていた日本の北海道原住民アイヌ族の遺骨4体が6日、日本のアイヌ団体代表らに返還された。
博物館関係者は返還式で「先祖が体験した屈辱と皆さんが体験した苦痛に心より謝罪する」と話した。
共同·時事通信によると、今回返還された遺骨は明治時代の著名な解剖学者·人類学者だった小金井良清（1859~1944）らが1911~1936年オーストラリアに研究目的で寄贈したものだ。
一部は墓から搬出されたものであり、オーストラリア先住民のアボリジニの遺骨と交換したものもあった。オーストラリア側が直接盗掘したり持っていったわけではないが、
博物館は遺族の同意なしに搬出された遺骨を100年近く保管したことに対して深く謝罪した。
メルボルン博物館のティモシー·グッドウィン理事はこの日、返還式に参加したアイヌ団体代表らに
「皆さんの先祖が長年屈辱を体験したことに遺憾を表し、遺骨搬出で皆さんに苦痛を与えたことを心より謝罪する」と明らかにした。
北海道アイヌ協会理事長は「先祖様たちがどれほど寂しかっただろうか。これから日本でしっかりと魂を慰めていきたい」と話した。
サハリン·アイヌの子孫であるエンチウ遺族会代表は「まだ日本にいるエボリジンの遺骨も速やかに返還されることを願う」と明らかにした。遺骨は8日、北海道に戻る。
先立ってオーストラリア政府は2017年メルボルン博物館などにアイヌ遺骨が保管されているとし、日本側に先に返還意思を明らかにした。
オーストラリアが遺骨返還に積極的だった背景には、かつて過酷だった先住民弾圧と同化政策に対する謝罪と和解の努力がある。
1984年原住民遺骨に関する法律が、2009年には海外原住民遺骨に対する法律がそれぞれ制定され、これに伴い各博物館は返還努力を推進してきた。
これより先にドイツの博物館も保管中だったアイヌ遺骨が明治時代札幌墓地で盗掘されたという事実が2016年明らかになると翌年北海道アイヌ協会に返還した経緯がある。
一方、不適切に入手した遺骨返還に対する日本の対応は遅い。
文部科学省は2019年になってようやく「アイヌ遺骨は同意なしに研究に使用できない」という内容が盛り込まれたガイドラインを作った。
大学などが保管していた1900体余りのアイヌ遺骨のうち返還要請がない遺骨1600体余りを2020年北海道に建設したアイヌ文化伝承施設「ウポポイ」の慰霊施設に移したりもした。
しかし、アイヌ以外の遺骨については議論されたことがない。
小金井はインドネシアのボルネオ島原住民多薬族などの頭蓋骨を収集する時、人を雇ってこっそり夜間に掘り出すようにしたという記録を残したが、
該当遺骨は現在までも東京大学、東京医科歯科大学、京都大学などに保管されている。
オーストラリアの原住民遺骨返還が過去の過酷な同化政策などに対する謝罪と反省の一環であることとは異なり、
日本政府は明治時代に琉球国（現沖縄）と蝦夷（現北海道）を武力で占領した後、現地人を差別し固有の言語と文化を抹殺したことに対して沈黙している。
日本国会は2008年、北海道洞爺湖で開かれた主要8カ国（G8·G7+ロシア）首脳会議直前にアイヌを「先住民」（原住民）と認定する決議を採択し、日本政府もこれを受け入れたが、
「近代化の過程で多数のアイヌ族が差別され貧窮した立場から抜け出せなかったという歴史的事実を厳粛に受け入れる」と明らかにしただけで、謝罪はしなかった。
沖縄人は原住民として認められず、大学を対象にした遺骨返還訴訟でも敗訴している。
https://v.daum.net/v/20230507103016360
