大学受験失敗→オーストラリアで充実した生活 英語にかけた私の選択

 高校3年の冬、人生が終わったと思った。

 受験勉強を必死でしてきたのに、第1志望の大学はまさかの不合格。「いい大学に行って、いい会社に入って、お金を稼ぐことしか考えていなかった」。その道が断たれたと思い、どん底まで心が落ち込んだ。

 そんな「絶望の淵」から救い出してくれたのが、英語だった。

 東京都出身の佐々木麻子さん(28)はいま、オーストラリアで働き、充実した日々を送っている。どうやって、道を切り開いたのだろうか。

 希望していた大学に落ちた後、合格をもらっていた大学の商学部に入学した。当時、家は母子家庭で、浪人して再び受験するのは時間もお金ももったいないと感じた。

 そこで、英語の力を伸ばして交換留学生になり、海外に行くことを目指した。もともと、英語は自分の強みだと思っていた。その強みをとがらせたかった。

 小学校4年の時、友だちに誘われて英会話教室に通ったのが英語との出会いだ。ネイティブの先生で、すべて英語でのやりとりだった。この時は遊びに行く感覚で、英語が身についた感覚はまったくなかった。

 それでも、中学に入ると周りより英語が理解できていた。「私、英語できるじゃん」。得意という意識から勉強にも熱が入り、中学時代に英検準2級も取った。

 母親が、語学が好きな人だった。英語が得意で、中国語もできた。家で勉強していると英語だけは教えてくれて、英検を受けることも勧めてくれた。

 大学受験で英語はかなり勉強した自負がある。大学1年で受けたTOEIC(満点990点)は690点だった。「英語は使って身につけよう」という母からの教えもあり、もっと英語力を伸ばすためにワーキングホリデー(ワーホリ)で海外に行くことを決意。2年生の前期を終えてから1年間休学し、ビザが取りやすいオーストラリアに旅立った。

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