1万2800の宗教法人が必要書類を未提出 9割は過料徴収されず
https://mainichi.jp/articles/20230506/k00/00m/040/295000c
全国に約18万ある宗教法人は、活動の透明性を示すために所轄庁(文化庁または都道府県)に毎年、役員名簿などの書類を提出することが義務づけられている。だが、毎日新聞が2019年末時点の状況を取材すると、1万2800法人が提出しておらず、このうち約9割が未提出に対する過料を徴収されていなかった。都道府県の半数程度は、人員不足などで過料の徴収手続き自体を行っておらず、宗教法人法に反していた実態が浮かんだ。
宗教法人法が毎年の提出を義務づけているのは、役員名簿、財産目録、収支計算書など。オウム真理教による地下鉄サリン事件などを受け、宗教法人が本来の目的に沿った活動をしていることを確認するため、1996年施行の改正宗教法人法に規定が盛り込まれた。会計年度の終了から4カ月以内に所轄庁に書類を出さなければ、代表役員らに10万円以下の過料が科される規定もある。
毎日新聞は昨年12月、19年末時点の未提出法人数や過料の徴収状況などを文化庁と都道府県に取材した。20年以降のデータについては、新型コロナウイルス禍の影響で書類提出の督促などをしなかった自治体が多数あり、平時の状況とは開きがあるためだ。