https://japanese.cri.cn/2023/05/08/ARTIUpBb111Cc401Qae2Sx6n230508.shtml

中国科学院物理研究所が7日、中国の月探査機「嫦娥5号」が持ち帰った月の岩石や砂などのサンプルに対する系統的な物質科学研究により、
中国の研究者はさまざまなタイプの異なる起源を持つガラス物質を発見したことを明らかにしました。
レゴリスと呼ばれる月表面のゆるい堆積物からは、初めて天然のガラス繊維が見つかったとのことです。

研究者は、月のレゴリスに含まれるガラス質物質の形や、成分、微視構造、形成メカニズムなどを総合的に分析しました。
その結果、月面には固体、液体、気体など様々な経緯を経て形成されたガラスが存在していることが分かりました。
月面に頻繁に降り注ぐ隕石や微小隕石の衝突により、鉱物はいったん融解してから急速に冷却されて、円形、楕円形、ダンベル状など、
様々な形のガラスビーズや多孔構造のセメント質、流体の形状を残した放出物が生成されました。

 特に注目すべきは、天然のガラス繊維が初めて発見されたことです。
太さと全長の比率が極めて大きいガラス繊維は、衝突した時のネバネバした液体の熱可塑性成形に由来するものです。
まとまった形をしたガラスビーズと比べて、これらのガラス繊維を形成した液体は粘度がより高かったことが示されており、そのことは衝突時の温度とスピードがより低かったことを意味しています。

 中国科学院物理所の沈来権副研究員は、
「これらの天然のガラス繊維は、月のレゴリスが良好なガラス形成能力と優れた加工・成形特性を持つことを物語っている。
月面で現場のレゴリスを利用してガラス建材を加工・生産する可能性が肯定されたことであり、将来の月面基地の建設に重要な支えを提供するだろう」
と指摘しました。