中国が海外企業によるデータのアクセス制限、米研究に警戒感-報道
Sarah Zheng
2023年5月8日 14:02 JST
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2023-05-08/RUBJKRT1UM0W01
中国のデータソースに海外企業がアクセスすることを中国当局が制限したと、
米紙ウォールストリート・ジャーナル(WSJ)が事情に詳しい関係者の話として
報じた。米国の研究機関が執筆した一連の報告書に当局が警戒感を抱いたこと
が少なくとも一因だという。
米国のシンクタンクが中国の公開データソースに基づき、軍と民間組織の協
力などセンシティブな問題に照準を定めた研究を行うことに中国の高官は懸念
を強めていると、WSJは伝えた。これらの報告書は、米ジョージタウン大学の
セキュリティー・新興技術センター(CSET)や、新米国安全保障センター(CNAS)
などが発行したもの。
中国は米国との緊張が高まる中、機密データの管理強化に動いている。中国
の情報を求めるシンクタンクや研究機関、コンサルティング会社は、特定の問題
や産業について深く掘り下げるため、長期にわたり中国国内の情報源に頼ってき
た。しかし、万得信息(ウインド・ インフォメーション)など中国側のサービスはここ
数カ月間、海外顧客に対する国内企業の詳細なデータの提供を停止している。
国家インターネット情報弁公室は3月、データ提供事業者に対し特許や統計
などセンシティブな情報への海外からのアクセスを制限するよう通達したと、中
国当局と協議した関係者を引用してWSJが報じた。