ザポリッジャ原発の近隣住民、避難指示で「とんでもないパニック」 ウクライナ当局
ウクライナ南部にある欧州最大のザポリッジャ原子力発電所に近い町の住民にロシア軍が避難を指示したことをめぐり、ウクライナ軍参謀本部は7日、住民がロシア占領地域の都市に避難していると発表した。「とんでもないパニック」が起きているとするウクライナ当局者もいる。
ザポリッジャ州の大半を占領しているロシア軍は、同州エネルホダルや前線に位置する18地域で住民に避難を命じている。ウクライナでは近日中に同国軍の反撃が始まると予想されている。
ウクライナ軍参謀本部によると、住民らはロシア占領地域内のベルディアンスクとプリモルスクに避難するよう指示されているという。
ザポリッジャ州メリトポリを脱出しているイヴァン・フェドロフ市長は6日、数千台の車が移動を始め、5時間の渋滞が発生したと述べた。
市長は、避難先の商店で商品や医薬品が底をついたと、メッセージアプリ「テレグラム」に書いた。
さらに、ウクライナが同地域を攻撃した場合、電気と水の供給が停止する恐れがあるなか、複数の病院が患者を路上に移動させているとした。
フェドロフ市長は、民間人で構成されているとされる避難の車列の3分の2は、実際には同地域から撤退するロシア軍だと主張している。BBCはこの主張が事実かどうか検証できていない。
「ロシアが発表した部分的避難があまりにも速いスピードで進められている。挑発行為に備えるために、民間人に焦点を当てている可能性がある」と、フェドロフ氏は付け加えた。
https://www.bbc.com/japanese/65522381