米、日本産牛肉の関税大幅上げ 3年連続、輸入枠超過で

 米国が日本産の牛肉に課す関税を大幅に引き上げたことが9日、分かった。米国は日本やブラジルなど複数国から牛肉を一定数量まで低関税で輸入する枠を設けているが、比較的安価なブラジル産の輸入が高水準で続いたことで、2023年の分の枠を超えたため高関税に切り替わった。枠の超過は3年連続。米国は日本産牛肉の主要輸出先で、和牛の輸出拡大に逆風となる可能性もある。

 低関税枠は日本やブラジル、オランダなど対象国の合計で年6万5005トン。国ごとの上限はなく、枠の消化は“早い者勝ち”となる。枠内の税率は1キロ当たり4.4セント(約5.9円)だが、超過分には価格に対して26.4%の高関税が課される制度となっており、23年も枠が超過したため高関税が現地時間2日夜から適用されることになったと米関税当局が同8日に公表した。

 農林水産省によると、日本食ブームを背景に米国でも和牛の需要が高まっており、日本産牛肉の米国への輸出は拡大傾向が続いて21年に1178トンと過去最高を更新。22年は1073トンだった。
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