ゼレンスキー氏「78年前と同様、敗北は時間の問題だ」…

ロシアのプーチン大統領が9日の旧ソ連の対独戦勝記念日に合わせたモスクワ「赤の広場」の式典での演説で、ウクライナ侵略を改めて正当化したことにウクライナが反発している。

 ウォロディミル・ゼレンスキー大統領は9日のビデオ演説で「78年前の侵略者(ナチス・ドイツ)と同様、現在の侵略者が敗北するのは時間の問題だ」と非難した。ウクライナ外務省は9日の声明で、カザフスタンなど旧ソ連の7か国首脳が式典に出席したことに不快感を表明した。

 演説でプーチン氏は、「我が祖国に本当の戦争が再び仕掛けられた」と主張し、ウクライナを支援する米欧などに責任を転嫁する一方、今後の具体策は打ち出さなかった。ウクライナ侵略を「特殊軍事作戦」と称するプーチン氏は2月の「年次教書演説」でも、「米欧諸国が戦争を始めた」と表現したが、9日も国力を総動員できる戦争状態への移行は宣言しなかった。世論の反発を警戒し、戦局打開に必要とされる抜本策へのためらいが依然、根強いようだ。

https://www.yomiuri.co.jp/world/20230510-OYT1T50239/