中国、スラムダンク人気で福岡県産酒「三井の寿」に注文殺到 価格は日本国内の数倍に高騰
人気バスケットボール漫画「スラムダンク」の映画「THE FIRST SLAM DUNK」が4月に公開された中国で、福岡県産の日本酒「三井(みい)の寿(ことぶき)」の人気が再燃している。3点シュートを得意とする人気キャラクター三井寿(みついひさし)選手の名前の由来となった酒で、取扱商社には注文が殺到。品薄状態となり、中国から蔵元がある同県大刀洗町を訪れて買い求めるファンもいるという。
中国名「灌籃高手」の映画は4月20日の封切りからわずか10日で、4月に中国全土で上映された映画の中で興行収入トップを記録。5月11日時点で6億2500万元(約121億円)に達した。北京市内の映画館では朝から深夜まで日本語版と中国語版が1日計十数回上映されている。
かつて中国で放送されたアニメ版でスラムダンクに熱中した1980~90年代生まれの世代を中心に、多くの男女が来場し、バスケの試合会場のように声援を送りながら鑑賞する人も。インターネット通販サイトでは関連商品の売れ行きが好調で、三井の寿も日本国内での販売価格の数倍で取引されている。
大刀洗町の酒造会社「みいの寿」は、漫画の作者、井上雄彦(たけひこ)さん=鹿児島県伊佐市出身=が三井選手の名の由来が三井の寿だったと明かしたことを受けて、三井選手の背番号14を大きくあしらったユニホーム風のラベルの「三井の寿 純米吟醸+14大辛口」を2013年に発売。17年から中国でも販売してきた。
同社によると、中国国内の飲食店から継続して注文が寄せられてきたが、映画の公開前から問い合わせが急増。ただ、原材料の米・山田錦が昨年、全国的に不作だったため「生産が追い付かず、出荷調整を余儀なくされている状況」。蔵元では小売りはしていないが、週に数組ほど中国や韓国から買い求めに来る人もいるという。同社は「ありがたい気持ちでいっぱい」と話す。
スパイ容疑での邦人拘束などで日中関係は緊張しているが、中国の4月の映画興行収入でスラムダンクに次ぐ第2位はアニメ映画「すずめの戸締まり」。「こういう展開でこそオレは燃える奴(やつ)だったはずだ…!!」という三井選手の名言は中国でもよく知られている。その言葉さながらに、映画も酒も中国での日本作品・製品の根強い人気ぶりを示している。
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